不親切の理由 ~回転寿司での出来事~

今日、回転寿司で何とも微妙な体験をした。

平日の夕方、小腹がすいていたので俺は一人で回転寿司へと足を運んだ。平日なので店内はガラガラ。席は2割ほどしか埋まっていない。黙々と5皿食べ終わったあとで、老夫婦が俺の右隣へ座った。

他に空いている席がたくさんあるのにわざわざ隣に座るなよと思いながら、隣の席まではみ出しそうだった皿を片付けた。カウンター一席あたりのスペースは結構狭く、俺は何とも居心地の悪い気分になった。

老夫婦は席についてから2~3分ほど注文モニタを見ていたが、回転寿司の注文方法に慣れていないらしく、俺に「すみませんが教えてくれませんか?」声をかけてきた(声をかけてきたのは老夫婦のばあさんの方)。俺は聞こえない振りをして無視した。食事中に声をかけてくんなよと思った。

俺が無視した後、2分くらいしてから再びばあさんが「教えてくれませんか?」と声をかけてきた。俺は、「え?俺ですか? 店員さんに聞いてくださいよ」と言ったのだが、なんとも困った顔をしていたのでやむなく俺が店員を呼んであげた。

店員が老夫婦に注文方法を説明した後、俺はばあさんから「すみません」と言われた。俺は無視した。

俺は食欲がすっかり失せてしまったので、さっさと会計をすませて店を出た。会計時、店員にも「すみませんでした」と言われた。不機嫌だったのがばれたのだろう。

 

 

 

俺は不親切にも老夫婦に回転寿司の注文方法を教えなかった。だが俺は普段は割と親切な人間である。先週、表参道駅銀座線浅草方面のホームで「渋谷に行くのはこのホームで良いのですか?」とおばさんに聞かれたときは、分からなかったのでわざわざ調べて、別のホームだと教えてあげた。俺は割と親切な人間なのだ。

その俺が不親切な態度をとった。帰りの車の中でその理由を考えていてよく分からなかったが、ここまで書いてようやく分かった。隣の席に老夫婦が座った瞬間から、俺は老夫婦に対して嫌悪感があったのだ。空席が目立つ店内で、普通は席を空けて座るところをわざわざ隣に座るセンスに嫌悪感を持ったのだ。しかも食事中に隣から声をかけてくるデリカシーの無さ。注文方法が分からなかったらお前の目の前にある呼び出しボタンを押せよ。

しかし、俺は店員から心が狭いと思われたのかもしれない。実際そういう態度をとったのだから仕方ないが、普通は親切な対応をするものなのだろうか?

何とも微妙な体験だった。